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技術シナジーで生み出す高機能フィルムの生産現場。宇都宮工場に行ってみた!(1)

技術シナジーで生み出す高機能フィルムの生産現場。宇都宮工場に行ってみた!(1)
フーちゃん

フーちゃん

TOYOBOの事業所・工場を訪ねる「事業所・工場探訪シリーズ」。今回は栃木県にある「宇都宮工場」よ。高機能フィルムの生産拠点で、2024年には新しい製造設備ができたんだって。

カンビー

カンビー

40年以上の歴史がある工場だって聞いたけど、どんな風に進化しているのか楽しみだなぁ。さっそく行ってみよう!

Index目次

宇都宮工場がある宇都宮市ってどんなところ?

宇都宮駅
カンビー

カンビー

宇都宮駅に到着〜! 宇都宮といえば餃子が有名だよね。ほら、そこに餃子の皮に包まれたビーナス像があるよ。

餃子像
宇都宮ライトレール
※写真は取材時に撮影したものです。
フーちゃん

フーちゃん

次世代型路面電車(LRT)の「宇都宮ライトレール」も有名よね。これができたおかげで、駅から宇都宮工場までスムーズに行けるようになったそうよ。さっ、乗りましょう!

技術も設備も進化を続ける“TOYOBO界のエース”

フーちゃん

フーちゃん

着きました! 宇都宮工場は、国内有数の規模を持つ工業団地「清原工業団地」の中心部にあるの。

カンビー

カンビー

清原工業団地の総面積は388ヘクタール。なんと東京ドーム83個分にもなるんだって。すごいねー。あっ、こんにちは〜!

東洋紡高木さん

高木(たかぎ)さん
東洋紡株式会社 宇都宮工場 総務部
2024年入社。施設やIT機器の管理、庶務業務、来客対応などを担当。高校時代から「乃木坂46」の推し活に熱中しており、有休を活用してイベントに行くことも。

高木:こんにちは。今回、宇都宮工場をご案内する高木です。

フーちゃん

フーちゃん

よろしくお願いしまーす! 早速ですが、宇都宮工場っていつ誕生したんですか?

高木さん

高木:1985年、帝人株式会社(以下、帝人)がVHS用ビデオテープのフィルム生産工場として操業を開始しました。その後、2019年にTOYOBOグループに加わり、現在は高機能フィルムに特化した生産を行っています。

カンビー

カンビー

なるほど。帝人時代に培われた技術とTOYOBOの技術が融合した工場ってことか。

高木:そうなんです。今ではTOYOBOの東日本において、フィルム生産の重要な役割を担っているんですよ。私としては、その存在感を含めて、宇都宮工場は“TOYOBO界のエース”だと思っています。

フーちゃん

フーちゃん

かっこいい! 最近、新しい製造設備もできたそうですね。

高木さん

高木:はい。2024年に新たにセラコン用離型(りけい)フィルムの製造設備「UP5」(ユーピーゴ)が完成しました。詳しくは後ほど、製品や設備の担当者からご説明しますね。

カンビー

カンビー

り、りけいフィルム……? 高機能フィルムにもいろいろな種類があるんだね。

高木:そうなんです。それぞれの生産現場へご案内しますね。

世界シェアをほぼ独占!PENフィルム「テオネックス®

フィルム工場入り口に立つ高木さん

高木:こちらがフィルム工場です。ここで生産している「テオネックス®」は、世界シェアをほぼ独占しているんですよ。

フーちゃん

フーちゃん

すごい! どんなフィルムなのか、早く知りたいな。

下垣内:こんにちは、「テオネックス®」担当の下垣内です。

下垣内さん

下垣内(しもがいと)さん
東洋紡株式会社 宇都宮工場 製造部
2023年入社。岐阜県出身、愛知県の大学で高分子化学を専攻。現在、PENフィルムの「製膜」という工程を担当。趣味は飲み歩き。

カンビー

カンビー

「テオネックス®」って何ですか?

下垣内:宇都宮工場で作っているPENフィルムの製品名です。PENフィルムとは、ポリエチレンナフタレートというポリエステル樹脂を原料とする高機能フィルムのこと。食品包装などに使われるPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムよりも強度が高く、耐熱性や耐薬品性、耐加水分解性にも優れているのが特長です。

フーちゃん

フーちゃん

何に使われているんですか?

テオネックス®の使用例
「テオネックス®」の使用例(左:電動モーターの電気絶縁部材、右:EV(電気自動車)電池の配線基材)

下垣内:主に自動車用モーターの絶縁やEV(電気自動車)電池の配線基材などに使われています。用途は比較的ニッチですが、その分、特定の市場では高く評価されている製品なんです。最近では、燃料電池自動車向けの部材にも採用されており、こうした先端分野で評価されている点は当社の強みの一つだと考えています。燃料電池への活用が、今後もっと広がっていくのを期待しています。

カンビー

カンビー

TOYOBOのPENフィルムは世界シェアをほぼ独占してるって本当ですか?

下垣内さん

下垣内:はい。PENフィルムはPETフィルムより製造技術の難易度が高く、作っている企業はとても少ないんです。中でも宇都宮工場は、お客さまの要望に応じた多品種少量生産に対応できる点が大きな特徴です。これも、帝人時代に培われたコーティング技術とTOYOBOの製膜・設備技術を融合させたからこそできたことだと思います。

フーちゃん

フーちゃん

2社の技術力が合わさって強くなれたのね。

下垣内:そうなんです。ここでは帝人出身の方も分け隔てなく、仲間として協力し合いながら働いています。考え方や用語の使い方など、違う点はあります。ただ帝人出身の方々が持つ知識に直接触れられることは大きな学びにつながっています。フィルムの製造技術や機材のメンテナンス技術など、帝人出身の方から学んだことを他の工場で共有したところ、「参考になった」といった反応をもらったこともあります。

カンビー

カンビー

いろいろな技術を学んで、お互いが成長したんだね!

仕事中の下垣内さん
工場内で作業をする下垣内さん

下垣内:そう思います。今は日々の生産管理をしながら、開発部門の案を形にするための製品試作を重ねています。最近はお客さまから寄せられる要求もますます高くなっているので、今後も「テオネックス®」を選び続けてもらえるよう、要求に一つひとつ粘り強く向き合いたいです。

フーちゃん

フーちゃん

最後に、宇都宮工場の自慢ポイントを教えてください!

下垣内さん

下垣内:工場内はすごくクリーンで働きやすいですし、皆さん優しくて若手の意見を積極的に求めてくれます。自分の気付きや提案が生産性の向上に直結しやすく、成長を実感できる職場だと思います。あと、宇都宮ライトレールがあるので、飲みに出かけるときに便利です(笑)。

生成AIを支える縁の下の力持ち「セラコン用離型フィルム」

カンビー

カンビー

「テオネックス®」の次は、離型フィルムのことも教えてもらいたいな。

フーちゃん

フーちゃん

あっ、誰か来ましたよ!

石亀:こんにちは、セラコン用離型フィルム担当の石亀です。

東洋紡の石亀さん

石亀(いしがめ)さん
東洋紡株式会社 宇都宮工場 製造部
2023年入社。大学では結晶工学を専攻し、入社後はセラコン用離型フィルム一筋。趣味はK-POPグループ「SEVENTEEN」の推し活と、大学時代から続けている競技ダンス。

カンビー

カンビー

「セラコン」とか「離型フィルム」とかって何ですか?

セラコンイメージ
プリント基板(電子機器内部の回路基板)上に実装されたセラミックコンデンサのイメージ

石亀:セラコンは「積層セラミックコンデンサ」の略で、PCやスマートフォン、生成AIの計算処理を行うデータセンターの機器など、多くの電子機器に使われている電子部品です。その製造過程で欠かせない材料が「離型フィルム」です。離型フィルムはセラコン製造時に使用される基材で、加工後にきれいに剥がせる特徴があります。先端技術の発展を支える重要な材料の一つです。

フーちゃん

フーちゃん

どうやって作ってるんですか?

石亀さん

石亀:宇都宮工場では、PETフィルムの上に離型剤を含んだコーティング液を塗って離型フィルムを作っています。作り方には、オフラインコーティングとインラインコーティングという2つの加工方法があります。宇都宮工場の強みは、離型性の性能を出すインラインコーティングの技術を持っているところなんですよ。

フーちゃん

フーちゃん

それ、聞いたことあります! オフラインコーティングは、フィルムの製膜工程の後、別の工程でコーティング処理をする方式。一方、インラインコーティングは、フィルムの製膜工程と同じ製造ライン上で、連続してコーティング処理をするんだって。

カンビー

カンビー

さすがフーちゃん、よく知ってるね。でも、インラインコーティングだと何がいいんだろう?

石亀さん

石亀:フィルムの製膜から離型性を出す工程まで連続してできるので、生産時間やコストを抑えられるんです。離型性の性能を出すインラインコーティングの技術はもともと帝人時代に培われた生産技術で、私も教わったときは「すごい技術だな」と思いました。TOYOBOの技術とは異なる点もあり、コストや安全性の面でメリットがある一方で、その分、開発の難易度は高い。だからこそ、大きな強みになっているんだと思います。

フーちゃん

フーちゃん

石亀さんの担当業務で、特に難しいのはどんなことですか?

働いている石亀さん
工場内で作業をする石亀さん

石亀:コーティングにムラが出ないようにすることです。塗りムラがあるとフィルムの品質に影響してしまうので、そうした差が生まれないように、製造条件の管理にはすごく気を使っています。

カンビー

カンビー

フィルムの品質を安定させるのって、想像以上に難しそうだね。そういえば最近、「UP5」っていう設備もできたって聞きました。

仕事をしている石亀さん

石亀:はい。私もUP5の立ち上げプロジェクトに参加して、そこでフィルムの生産技術を教わりました。UP5では、塗液は帝人時代に培われた技術、塗り方はTOYOBOの技術というように、互いの強みを掛け合わせ、離型フィルムを生産しています。先輩はこれを「技術シナジー」と言っていました。

フーちゃん

フーちゃん

まさにシナジー! 石亀さんもやりがいがあるんじゃないですか?

石亀さん

石亀:そうですね。入社1年目でインラインコーティングを担当させてもらったときは「こんな重要な工程を新人が担当していいのかな?」と不安でしたが、先輩方の丁寧な指導のおかげで、やりがいを感じながら安心して取り組み、成長を実感できました。
宇都宮工場って本当に親しみやすく、相談しやすい方が多いんです。一人ひとりの成長スピードに合わせてサポートしてもらえるので、安心して働ける環境だと思います。

フーちゃん

フーちゃん

さて、後編では新しくできた注目の施設「UP5」や、高機能フィルムの品質を守り続けている品質保証部の取り組みについて紹介していきます!

カンビー

カンビー

後編は7月13日公開予定。お楽しみに!

※本記事の内容および組織名等は取材当時のものです。

宇都宮工場

栃木県宇都宮市清原工業団地13-1
028-667-5411
https://www.toyobo.co.jp/company/access/about_utsunomiya.html

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