一歩先へ!“連携力”を武器に新境地を開く/谷中さん

日々進化し続ける研究・開発分野において、最先端の技術と情熱をもって挑み続けるTOYOBOの研究・開発者たちは、個性豊かで多彩な魅力にあふれています。
「“変化を楽しむ”研究・開発者ストーリー」は、キャリアの中で起きた“変化”を通して、彼らの仕事に対する思いや、その背景にある一人ひとりのストーリーを紹介する連載です。

ハカセ
TOYOBOの研究・開発の現場で活躍する人たちに迫る新企画がスタート! 環境の変化を前向きに受け止め、自分自身の変化も楽しみながら進んでいる魅力的な研究・開発者たちを紹介していきます。今回はその第一回デス!

オー太
うわー、楽しみー!

ハカセ
今回お話をうかがうのは東洋紡エムシーで新規開発プロジェクトに携わっている谷中さん。海外で働いた経験もあり、まさに“変化”を味方にしながら成長を続けている開発者の一人デス!

オー太
面白そう! さっそく会いにいこう!
Index目次

谷中(たになか)さん
東洋紡エムシー株式会社 開発本部 開発戦略企画部(※1)
2006年入社。ドイツのグループ会社「TOYOBO Europe GmbH」への赴任を経て、現在は東洋紡エムシー株式会社の一員として部署を横断した新規開発プロジェクトに挑戦中。学生時代はヒアルロン酸による表皮角化細胞の増殖制御などをテーマとして、生物に関する研究に取り組む。趣味は山登りと自転車。
(※1)2023年4月、東洋紡株式会社と三菱商事株式会社による機能素材分野における合弁会社として「東洋紡エムシー株式会社」が事業を開始。
これまでの仕事と新たな挑戦

ハカセ
TOYOBOに入社してからの谷中さんのキャリアについて教えてください。
谷中:2006年に入社し、最初は福井県の敦賀事業所でエアバッグの糸などをはじめとする繊維の開発に携わっていました。その後、滋賀県の堅田にある総合研究所に異動し、再び敦賀事業所に戻った後は、5年間ほど海外勤務を経験しました。
その間はずっと繊維関連の製造開発や技術営業を担当していましたが、2024年に現在の部署へ異動し、初めて繊維以外の仕事に携わることになったんです。

ハカセ
今はどんなお仕事をしているんですか?
谷中:今は東洋紡エムシーというグループ会社で、セクション横断型開発を行う部署で働いています。ここは2024年4月にできたばかりの部署で、さまざまなセクションの人と力を合わせて「とにかく新しいことをやろう」と頑張っています。

ハカセ
環境の変化があったのデスね!
自転車で北海道横断!アクティブに過ごした学生時代

オー太
谷中さんの学生時代のことも知りたいです。熱中していたことは何ですか?
谷中:山登りと自転車です。自転車では北海道を横断したことがあります。初日の夜、野宿しているときにキタキツネに靴を持っていかれてしまって……。キタキツネは習性上、臭いものはエサだと勘違いするみたいです(笑)。結局、ほとんどの行程を予備で持っていたサンダルで乗り切りました。



ハカセ
アクティブですね~! でもそのトラブル対応力は、社会人になっても活きてそうデスね!
苦労あり感動ありの海外駐在を経て広がった視野

ハカセ
海外赴任中はどこの国で働いていたんですか?
谷中:ドイツです。現地に工場があって、僕は主に技術営業を担当していました。


オー太
海外で働くって楽しそうだけど、いきなり環境が変わるから大変なこともたくさんあるんじゃないかな。
谷中:そうですね。日本とは法律や規則が違うのでまずそこを勉強したり、設備が壊れたときは自力で対応する必要があったり。その辺は大変でしたし、海外で仕事をすることの難しさも感じました。

オー太
一番苦労したことは何ですか?
谷中:言葉の壁ですね。赴任前は英語が通じると思っていたんですが、いざ行ってみたらドイツ語じゃないとほとんど伝わらないとわかって、そこから必死で勉強しました。現地のメーカーに問い合わせをするときも、メールなら自動翻訳が使えるんですが、小規模の会社だと電話対応のみというところもあって。言葉が通じなくて電話を一方的に切られたことも何度もあります(笑)。


ハカセ
苦労されたんですね。生活の面で困ったことはありましたか?
谷中:食事が合わなくて、それが一番つらかったです。向こうの食事は塩分がかなり濃いんですよ。それで味覚がおかしくなってしまったみたいで、日本のお茶漬けやラーメンを食べても味が感じられなかったときは焦りました。水も合わなかったようで、体調もずっとイマイチでしたね。帰国してからは舌も体調も戻りましたが、当時は結構大変でした。

オー太
海外赴任中の良かったことも教えてください!
谷中:家族であちこちに旅行に行けたので、その点はとても良かったと思います。ヨーロッパの国々は大体一通り回りました。一番印象に残っているのは、フィンランドのロヴァニエミという街でオーロラを見たときのことです。非常に美しく神秘的で、世界って広いな、自然ってすごいなと感動しました。
本場のアルプスに登ってみたくなり、スイスのツェルマットにも行きました。湖に映るマッターホルンがとてもきれいだったことをよく覚えています。

オー太
きれいな写真ばかりだなぁ。
谷中:駐在中にはヨーロッパのいろんな面を見たくて、現在のウクライナにあるチェルノブイリにも行きました。現地に足を運んで初めてわかることがたくさんあって、原発事故の恐ろしさ、今も続く人々の苦しみなど色々なことを考えさせられました。とても勉強になりました。

ハカセ
貴重な経験をたくさんしたんデスね。海外駐在って自分の世界を広げる機会でもありますし、私も行ってみたいデス!
今ある技術を組み合わせることで新しいモノを生み出していく

ハカセ
今のお仕事について、もうちょっと詳しく聞かせてください。
谷中:東洋紡エムシーには有機合成やポリマー変性、共重合、吸着・分離などさまざまなコア技術があって、それぞれの分野に研究・開発者や製造者がいます。でも、それぞれが一つの技術だけをもとに開発を続けていると、どうしても新しい事業を生み出すのが難しくなってくるんですよ。

ハカセ
そのような課題があったのですね。
谷中:そこを解決しようと立ち上げられたのが、今僕がいる部署なんです。ここでは、既存の技術を組み合わせることで新たなモノを生み出せないかという仮説のもと、日々開発に取り組んでいます。

オー太
それまではずっと繊維関連のお仕事をしていたんですよね。仕事内容がガラッと変わって、新しい発見とかはありましたか?
谷中:自分の専門外の技術って意外とわかっていないんだなと気づきました。そのせいか、異分野の人の話を聞くとすごく頭が疲れるみたいで、打ち合わせをすると知恵熱が出そうになるんですよ(笑)。

オー太
それは良い意味での知恵熱ですね!
谷中:はい、これは良いことだと思っています。異分野にはその分野ならではの技術や文化があって面白いですし、その違いをお互いに理解し合っていく過程にも意義を感じています。環境の変化や自分自身の変化を楽しみながら、日々前進、日々成長できていると実感しています。

ハカセ
海外で、違う文化や考え方の中で働いた経験が生きていますね。理解し合うために工夫していることがあったら教えてください。
谷中:まずは自分にできることからと思って、相手に伝わりやすいよう、専門用語を避けて一般的な言葉を使うように気をつけています。まずは言葉がわからないと理解し合うのも難しいですから。


オー太
その工夫、ドイツ語で苦労した谷中さんならではだと思います!
「やりたいことがある」人が集まる場所——TOYOBO

オー太
ところで、TOYOBOってどんな会社なんですか? 働いている人たちや職場の雰囲気を知りたいです。
谷中:皆さん気さくで、風通しもよく、意見を言いやすい雰囲気がありますね。困ったことがあって相談すれば、皆が真剣に、親身になって考えてくれます。
東洋紡や東洋紡エムシーには、従来の社風として「こういうことをやりたい」と提案したら反対する人はいないけど、積極的に人を集めて検討を支援するというよりも、「やってみなはれ」という風潮がありました。そうした風潮を刷新して個人の意思をしっかり汲み取って支援するように変わりつつあるという実感があります。僕の周りでも、やりたいことがある人や会社の将来を真剣に考えている人は多いので、こうした風土はすごく良いなと思います。

ハカセ
谷中さん自身は、会社をこうしていきたいというような思いはありますか?
谷中:近年、化学業界や繊維業界は変化の時期を迎えています。TOYOBOにとっても、今は事業を成長させるチャンスであり、同時に革新が求められている時期。僕がいる部署では、皆がそうしたことを強く認識していて、今後の事業について真剣に考えています。非常に頼もしいですし、僕も皆と一緒にしっかり考えて会社が成長できるように取り組んでいかなくてはと思っています。


オー太
今目指していることがあったら教えてください。
谷中:僕が所属するグループの最終目標は、新しい事業を創り出すこと、創り出し続けることです。例えば東洋紡エムシーでは、2025年2月に「溶融紡糸法によるポリフェニレンエーテルの繊維化技術」という世界初の技術を確立しました(※2)。僕たちはこの技術をぜひ製品化したいと思っています。その実現に向けてこれからも頑張っていきます。
(※2)2025年2月12日付 東洋紡エムシーニュースリリース
外部との連携を強化してダイナミックに仕事を進めていきたい

ハカセ
谷中さんが個人として目指していることはありますか?
谷中:自分の仕事への取り組み方を、もっと外部との連携を重視する方向に変えていきたいと思っています。これまでは、わりと自社内やグループ内だけで頑張ろうとしていたんですが、新しいものを生み出には、今あるものに異なる技術や視点を組み合わせていく必要があります。だからこそ、他の企業や大学と連携して取り組むようにマインドセットを変えていきたいです。

ハカセ
そう感じるようになったのは、今の部署に異動してからですか?
谷中:いえ、実は数年前から感じていました。以前、仲間同士の連携や横のつながりを強化しようとしたこともありましたが、やっぱりそれだけではイノベーションを起こすのは難しいなと思ったんです。
当時は、外部との連携に向けて具体的な行動を起こすといったようなことはできなかったんですが、今は実現に向けた行動が可能な立場にあります。
同時に、新しいことをやりたいと思う熱意ある人に対してもしっかり支援する。それが今の自分に課せられた役割なのかなと思っています。


オー太
これからチャレンジしたいことを教えてください。
谷中:現在の部署はチャレンジの機会が多く、社内のさまざまな技術を習得できるのでとても楽しいです。
振り返ってみると、今までの僕はあらかじめ決められた範囲内で仕事をすることに終始していたように感じます。今の業務は制約が無い分、難しさもありますが、それだけに楽しみも可能性も大きい。これからもっと外部との連携を強化して、よりダイナミックな仕事の仕方に挑戦していきたいと思います。

オー太
充実しているなぁ。何だかこっちまでやる気がみなぎってきたぞ。

ハカセ
新しい部署での新たなチャレンジ、応援しマス!
(二人)谷中さん、どうもありがとうございました!
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