ゲンバの声
「TOYOBOだからこそ」〜元Vリーガーたちが語る、セカンドキャリア〜
東洋紡には以前、Vリーグで二度の優勝を誇る『東洋紡オーキス』というバレーボール部があったことをご存知でしょうか。『東洋紡オーキス』で活躍選手は、現在東洋紡の社員として働いています。 今回はそんな彼女たちに、元アストリートから現在に至るまで、どのようにセカンドキャリアを築いてきたかを聞いてみました。
カンビー
TOYOBOでは、いろんな国籍の人たちが働いているよね。
オー太
韓国や中国などのアジア、ヨーロッパ、アメリカ。
カンビー
今日はタイに駐在していた日本人も含めて、4ヵ国のいろんなこと聞いちゃいます!
オー太
おいしいもの自慢とか?
カンビー
いいねぇ~!じゃ、そこから行ってみよう!
権(クォン)さん
出身地:韓国
東洋紡株式会社 イノベーション戦略部新事業推進グループ所属。
大学卒業後に韓国で5年間働き、日本の大学へ。卒業後の2012年、東洋紡へ入社。
日本のここが好き:対面販売が残っている。
アナさん
出身地:セルビア
東洋紡株式会社 エアバッグ営業部企画・管理グループ所属。
日本の大学を卒業後、2022年新卒入社。
日本のここが好き:道にごみがないこと。
ビセンシオさん
出身地:アメリカ
東洋紡株式会社 総合研究所 コーポレート研究所生命科学創発ユニット2所属。
日本の大学院を卒業後、2023年新卒入社。
日本のここが好き:仕事前のラジオ体操。
オー太
ねぇねぇ、皆さんの国で自慢したい料理おしえてください!
クォン:韓国はね、おいしい肉料理がたくさんあるけど、じつは野菜メニューも豊富なんです。肉料理屋さんに行くと、サイドディッシュである「パンチャン」というものを何種類も並べてくれる。お代わり自由の店が多いから、ご飯と一緒についつい食べすぎちゃう(笑)。
アナ:セルビアは周辺諸国の影響もあって、食文化がとても豊か。私が一番好きなのは「サルマ」。日本のロールキャベツに似ているけど、キャベツは酸味があるものを使って、お米も入ってる。やさしい味わいです。
クォン:セルビアの調味料で、パプリカパウダーおいしいですよね?
アナ:そうそう、あれは国民的調味料ですよ。
クォン:私はテキサスバーベキューをよく作るんですが、パプリカパウダーが決め手になる。
ビセンシオ:そうなんですか?! まさにバーベキューは、アメリカの自慢料理です。
じっくり燻製して焼いたお肉を「バーベキュー」というのですが、地域によって肉の部位や調理法が違うんです。
カンビー
(ゴックン!)
オー太
(グゥ~)あっ、失礼。おいしいものの話はお腹が減って仕方がないので、次の話題にいきましょう。(グゥ~~~)
カンビー
皆さんは日本での生活が長いですが、自国と比べて「へぇ~、そうなんだ」と思ったことある?
オー太
食べ物以外でよろし(グゥ~~~)。
クォン:時間の感覚かな。韓国はものすごくスピードが早いんですよ。仕事の進め方も、公共機関の手続きも、何ごとも早い。「空港で迷っても、韓国人について行けば飛行機に乗れる」と言われるくらい(笑)。国民性なのでしょうね。
アナ:逆に、セルビアはゆったりですね。
庭本:私はタイに4年間駐在していたのですが、あるタイ人から「タイ人は集合時間にルーズだって言われるけど、日本人は会議が延長しても平気だよね」と言われてね。
なるほどなぁーと思いました。そこから「会議が延長したら罰金」っていうルールを作ったんです。早く終わるようになったし、たまった罰金で飲み会したりして(笑)。
アナ:アメリカはどう?
ビセンシオ:アメリカはいろんな国から集まっているから、感覚も人それぞれ。
国民性って聞かれると何だろう? と考えてしまう。でも、国民性がないのが国民性とも言えるかと思います。
クォン:たしかに、たしかに。
オー太
おもしろいですね。時間の長さはどの国でも同じなのに、感じ方はそんなに違うんだ!
カンビー
ってことは、働き方も違うのかな?
クォン:ぜんぜん違いますね。韓国はがむしゃらに働く人が多い。上司に報告しつつ、同時に動くみたいな感じ。ワークライフバランスという言葉もあり最近は変わってきているらしいけど、どのくらい浸透しているかはよく分からないですね。
アナ:セルビアは、仕事よりもプライベートの時間を大切にする人が多いです。残業もほとんどしない。自分に期待されていることが明確だから、やるべきことをやってそれ以外のことはやらない。
庭本:アメリカも残業しない人が多いの?
ビセンシオ:昔はそうでしたけど、今は違いますね。
とくにIT関連の企業などは、オフィス内に生活で必要なものを全部揃えているから、そこでずっと過ごす人が増えてる。夕ご飯も食べられるから19~20時まで仕事するとか、通勤専用のバスや列車があってWiFiがつながってたり。
クォン:仕事したい人はずっとやれるよと。
庭本:意外ですねー。
クォン:でも、周囲が残っていたとしても、アメリカ人ならマイペースで帰る人も多いんでしょ?
ビセンシオ:いや、そんなことないですよ。みんなが残っているとプレッシャーは感じます。それは万国共通じゃないかな。
庭本:働くスタイルも結構違うものですね。アメリカが一番意外だったなぁ。
カンビー
TOYOBOで働いてみてどう? コミュニケーションで困ることはない?
アナ:私はTOYOBOでしか働いたことがないので他は分からないけど、みんなすごくやさしい。言葉が分からないときでも、ていねいに説明してくれるから安心できます。
オー太
価値観の違いとかは大きい?
アナ:価値観はかなり違いますね。
たとえば、日本人は人生を考えるときに20~30年先を想像するけど、セルビアでは「今」にフォーカスする人が多い。昔から戦争などが多かったから、遠い先のことより今に集中する傾向が強いです。
クォン:韓国は内需だけではやっていけないから、グローバルを意識してますね。大きい市場で利益をちゃんと出すなどの目的意識が日本より強いかな。
アナ:セルビア人と比べると、日本人は本音をあまり言わないですね。
クォン:本音と建前というやつだね。
アナ:セルビア人は他人との距離感がないんです。日本に来て「行間を読む」という感覚を知りました。
クォン:High Context(ハイコンテクスト)は空気を読む文化。その逆は、Low Context(ローコンテクスト)で言葉で伝える文化。韓国とセルビアは、ローコンテクストで似ているのかも。
アナ:アメリカもそうでしょ?
ビセンシオ:うーん、人によるかな。言葉だけで分かる人もいれば、行間を読まないといけない人もいる。多様性の国だから。
庭本:タイ人もね、行間豊かな国民性なんですよ。
でも、日本人とタイ人だと、文化的背景が同じじゃないのに、お互いに行間を読み合うから、逆に分かりにくくなることもある。だから、タイ人と話すときはローコンテクスト、つまり言葉でちゃんと伝えないといけないと。
クォン:要は、相手にちゃんと伝わるようにってことですよね。
庭本:そうそう、日本人同士でも伝わりにくい場面はいろいろあるから、程度の問題だと思う。時として、はっきりとした言葉で伝えることは、仕事をする上では大切だと思います。
カンビー
まさか「行間を読む」なんて言葉が出てくるとは、ビックリ。
オー太
ビセンシオさんの話を聞いて思ったけど、アメリカはいろいろなバックグラウンドの人がいるから、お互いが違って当たり前って思えるのかな?
ビセンシオ:そういう感覚を持っている人は多いでしょうね。
でも、それだけに違いを受け入れられない人たちもいます。地域によっては、英語のアクセントやイントネーションを厳しくチェックされたり。
庭本:私も若い時に、アメリカで「英語が上手ですね」と言われてショックを受けたことがある。ぜんぜんカタコトだったのに。上から見られている感じがしてね(笑)。
ビセンシオ:アメリカではよくあることですよ。
でも私は、違いを見つけるより共通点を見つけることにしています。その方がお互いにわかり合えるから。
一同:おぉー、すばらしい!(うなずく)。
クォン:その方が、自分のためにもなりますからね。
アナ:セルビアでも同じ。周辺国との交流が多いからこだわらない。国籍というより、一人ひとりの個性として見ている。
一同:なるほど、それが大事だねー。
庭本:ダイバーシティってそういうことですよね。お互いの違いを認めるってことは、一人ひとりの個性を認め合って、いいなと思う点を見つけるというか。
クォン:たしかに。仕事をするうえでは、とくに大事でしょうね。
カンビー
仕事を進めるうえで、大事にしていることってある?
ビセンシオ:企業理念体系である「TOYOBO PVVs」、『順理則裕(じゅんりそくゆう)』という考えはすばらしいと思いますね。
Principle(理念):東洋紡の創業の精神・信条
Vision(めざす姿): 世の中にどういう価値を提供する会社になるか
Values TOYOBO Spirit(大切にすること): 東洋紡グループの全員が大切にすること
庭本:私はタイの駐在時代から『順理則裕』という言葉を拠り所にしています。
「なすべきことをなし、ゆたかにする」という意味で、ちゃんと英訳もあるんですよ。Adhering to reason leads to prosperity. 要はリーズナブルなことをやりましょうと。そうしたら、結果としてゆたかになりますよと。
クォン:誰かにツッコミを入れるときも、それって「TOYOBO PVVs」から外れてない? って言ったり(笑)。
アナ:なるほど~(笑)。
クォン:「ツッコミのネタにする?」って思う人もいるかもしれないけど、センスってそうやって磨かれていくから。自分のなかに少しずつ浸透していって、いつか自分たちが次の世代を引っ張っていくときにも、力になるはず。
アナ:こんな話、普段はなかなかしないけど、みんなの考えが分かっておもしろい。
クォン:職場が離れているから話す機会がなかったけど、楽しいね。今度ご飯いきましょうよ。
カンビー
皆さん、今はどんなお仕事をしているの?
クォン:私はイノベーション戦略部の新事業推進グループ。
新しい研究テーマを事業化するために、性能・効果検証や品質保証体制やマーケティングなどをやっています。自分たちがつくり出す技術や製品で、世の中のニーズに応えられたらと考えるとワクワクします。
今までは研究職だったので、これからマーケティングのキャリアを伸ばしたい。
ビセンシオ:生命科学創発ユニット2のバイオプロセスグループで、微生物の力を生かして物質をつくる研究をしています。
環境への負荷が高いといわれるプラスチック製品だけど、バイオプロセスを用いて原料を生産することで持続可能な社会構築に貢献できる。とてもチャレンジングな仕事だと思っています。
アナ:エアバッグ事業総括部の企画・管理グループで、エアバッグ用基布を作るための原料調達をしています。
最近、マレーシア倉庫で原料を保管することになり、メイン担当として任されているので、学ぶことが多くておもしろいです。将来的には営業担当もやってみたいなと思ってます。
庭本:私は経営企画部で、会社の変革を推進する仕事をしています。
TOYOBOは海外で仕事をする機会があるし、皆さんのような外国籍の社員もおられる。自分とは違う考え方やルーツをもつ人たちと話すと、気づきがいろいろあっておもしろいね。
クォン:一人ひとりの考え方を知ることは、とても大事ですね。私もいい勉強になりました。
一同:今日はありがとうございました!
クォン:それじゃ、いつご飯行こうか?(笑)
一同:いいねー!(大笑い)
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庭本(にわもと)さん
出身地:日本
東洋紡株式会社 経営企画部TXプロジェクト担当部長。タイで4年間の駐在歴あり。
日本のここが好き:お盆。